
- 「コンピューターで曲作りができるのに、いまさら五線譜で作曲する意味なんてあるの?」
- 「作曲を五線譜でおこなうメリットを知りたい」
- 「ふだん使いのコスパの良い五線紙や使いやすい文具を知りたい」
このような疑問を解決します。
この記事で解説すること
- 五線譜で作曲をして感じたメリット
- 五線紙をなるべく安く用意する方法や、五線譜を書くための使いやすい文具の紹介
- さらに深掘りして"無料"で楽譜の書き方を習得する方法
いつもメロディーとコードを作るときには五線紙とペンでおこなっています。
その経験から感じたメリットを解説します。
五線譜で作曲するのはかなり有効です
作曲を五線紙でおこなっていて感じたメリットを2つ紹介します

- Aメロ・Bメロ・サビのメロディの量や音の高さのバランスをうまく取れる
- 手を動かすので頭がよく働く
DAWで作曲をおこなうと、どうしても見えてこないものがあります。
それはAメロ・Bメロ・サビの分量やバランスです。
・音の数が多すぎないか?歌いすぎていないか?
・そもそも音域が歌えるどうか?
・A・B・サビの盛り上がり方はどうか?
これらの問題点や改善点はメロディとコードを五線紙に書くとはっきりわかります。
五線紙を見渡すと、メロディー全体を俯瞰することができるのでわかりやすいのです。
たとえば音の数が多すぎる場合、五線紙に書きつつ「書くの面倒だなー、もしかして歌いすぎている?」と気付くことができます。
五線に線を足していく音符が増えると「これ、音が高すぎない?」と気付きます。
1コーラスすべてを作って見返したときに「AメロよりもBメロの方が盛り上がってるからもう少し手を加えたい」などと目で見て判断ができます。
これは実際に楽譜に書くまでは理解してもらえないかも知れませんが、本当に全体を見渡しやすいのです。
そうは言っても…
「こんなにデジタルが発達しているのに、いまさらアナログの五線紙に書くなんて面倒…」
たしかに。面倒です。時間も必要です。
五線譜の書き方を習得するのにも時間がかかります。
しかし、習得する時間がかかってでも五線譜の書き方をマスターすれば、それ以上のメリットをもたらしてくれます。
しかもこのメリットは、今後、作曲をおこなうときに一生役立ってくれます。
そしてもうひとつのメリットは、手を動かすので頭がよく働きます。
「こうしてみたらもっと良くなるかも?」というアイデアがどんどん浮かびます。
書いたメロディーを、何度も消しゴムで消して「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しているうちに案がいくつも浮かびます。
もうDAWでメロディーとコードを作っていくことはないと思います。
作曲は楽譜で行って、アレンジ作業からあとはDAWを使っています。
ふだんから五線譜を書くための使いやすい五線紙とペンを紹介します

「さっそく五線譜を書いてみたい」
「ふだん使いできるコストの低さと、使いやすい性能を両方もった文具を知りたい」
という人に向けて、ここでは文具を選ぶときの考え方と、実際にわたしが使用している文具を紹介します。
五線紙は用途によって使い分けるとコスパが高い

五線紙はさまざまなものが市販されていますが、価格もピンからキリまでバラバラです。
そこで、用途によって使い分けています。
- 推敲や下書きに使うとき
- 浄書するとき
- 演奏をするとき
殴り書きや下書きに使うときはB5のルーズリーフを使っています。
特に、このCampusのものは紙質が良くて安い!!
五線は12段で50枚入りです。
1枚あたり4.66円ほどです。
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浄書するときは、すこし品質の良いアピカのノートを使っています。

触り心地が良いんです。
しかもそんなに高くないところも気に入っています。
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さらにコスパを良くするには5円コピー機を使っています。
殴り書きや、下書きをするときは100円ショップやスーパーにある5円コピー機を使うと、さらに安く五線紙を手に入れられます。
白黒でB4までのサイズならば1枚あたり5円でコピーができます。
100円ショップやスーパーに置いてあるコピー機には、1枚5円でコピーできるものがあります。
で、B4に印刷したらペーパーカッターで半分に裁断すると…
B5が2枚うまれます…!!
ということは、B5の五線紙が1枚あたり2.5円で手に入ります。
めちゃくちゃ安い!
ただし、これはすこし面倒なのです…
ですので、一度に大量にコピーをしておくとすこし手間を減らすことができます。
ペンは下書き用に速記用シャープペンシル、浄書には水性顔料のゲルインクボールペンを使う

楽譜を書くときのペンも用途によって使い分けています。
下書きにはシャープペンシルを、浄書には水性顔料のゲルインクボールペンを使っています。
推敲や下書きをおこなう際に求めるとよい機能はつぎの3つです。
- すばやく書ける
- すばやく消せる
- 音符を快適に書ける
つまりシャープペンは「芯が太くて少ない力で濃く書けるもの」を選びます。
わたしは「プレスマン」という記者が速記するときにつかうシャープペンシルを使用しています。
芯は0.9mmで、2Bです。
少ない力で書けるので、スラスラと音譜を書くことができます。
シャープペンシル本体も価格が安いので、お財布にやさしいです。
替え芯は専用のものですが、これも安価で販売されています。
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消しゴムは「サクラクレパスのピュアスリム」を使っています。

これ、めちゃくちゃ消えるんです!!
さらに、消しゴム本体が細いので、細かい音符までうまく消すことができます。
さらにさらに、消しゴムの消しカスもまとまります。
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浄書には水性顔料のゲルインクボールペンを選んでいます。

水性顔料のメリットは「耐水性が高いのでにじみにくい」「耐光性があるので色あせしにくい」など、長期間の保存に耐えることができます。
また、ゲルインクボールペンはペンのすべりが良いので音譜をスラスラ書きやすいです。
いつもゼブラの「サラサクリップ」を使っています。
音譜を書くには太さ1.0mmのボールペンが音符のたまの部分を書きやすいです。
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消せるボールペンは、たしかに便利です。
消しゴムの消しカスが出ないのは本当にありがたいです。
ですが、やめたほうがいいです。
夏の車内に楽譜を放置すると、書いた音符が消えてなくなります。
楽譜はもちろん、手帳など自分自身の大切な記録には消せるボールペンは使用しない方が良いです。
五線譜の書き方を習得するにはどうすればいいか?
五線譜の書き方はWEBサイトで無償で習得できます。
その前に、そもそもどれくらいの五線譜を書けたほうが良いのでしょう?
ここではポピュラー音楽を作る前提で考えています。
結論は、メロディーとコードを書き記すことができればOKです!
五線譜は「良いメロディと、それに合う良いコードを考えるための道具」として考えます。
こう考えると、五線譜の書き方を習得するまでの時間は少なく済みます。
つまり、習得にかかる時間を短くしつつも、得られる効果は最大化できます。
フルオーケストラの譜面が書けるような高度な知識やスキルは必要ありません。
さて、これで学ぶべき要素は決まりました。
無償から学べるサイトがあります。
「NPO法人ミュージックプランツ」というNPO法人です。
https://musicplanz.org/fa-external-link
ここには楽譜の書き方はもちろん、音楽理論や音楽の歴史、シンセサイザーのツマミの触り方まで詳しく書かれているテキストが公開されています。
ミュージックプランツのサイトメニューから「音楽制作・DTM・作曲を学ぶ」→『音楽制作テキスト一覧』にいくと、ずらっとテキストが出てきます。

五線譜の書き方を習得するには「作曲入門」や「メロディー構築術・作曲技法」のテキストが良いと思います。
まとめ:さっそく楽譜を使って作曲をしよう!
楽譜に書いて作曲すれば、全体を見渡せてバランスの良さ、悪さを判断できます。
ぜひ一度ためしてみてください。
文具の選び方や具体的な商品は、すべてわたしが使ってみた経験から書きました。
参考になればと思います。
あと、消せるボールペンはダメ。ゼッタイ。