Logicで音符の途中から再生してもきちんと音を鳴らす方法

「長いMIDIノートの途中から再生すると、音が鳴らないから不便…」
こんなこと、ありませんか?

この記事では、Logic Pro Xで長いMIDIノートを途中から再生したときに、きちんと音を鳴らす方法を説明します。

長いMIDIノートとは?楽器や音色の例

長いMIDIノートとは、音符の長さが長いものを指します。
音の長さは楽器や音色によってさまざまです。

以下の楽器や音色はMIDIノートが長くなりがちです。

  • ストリングス
  • シンセパッド
  • エレキベース

特にストリングスやシンセパッドはMIDIノートが数小節の長さになることがあります。

長いMIDIノートを途中から再生するとどうなる?なぜ鳴らない?


上の画像の再生ヘッドの位置から再生を開始しても、音は鳴りません。
「音符は確かに置いてあるのに、なぜ?」と思いますが、これには理由があります。

Logicは内部でMIDIの仕組みを利用しています。
MIDIの仕組み上、音符は2つの順番で演奏されます。

  1. “ノートオン”イベントで発音を開始する。
  2. “ノートオフ”イベントで発音を終了する。

この画像では、再生ヘッドの位置が、ノートオンイベントよりも後ろにあります。
ということは、再生を開始しても”ノートオンイベントが発生していない”ということになります。
そういうわけで、ノートオンイベントが発生していないので、音が鳴らないのです。

鳴らせるようにするための設定方法

Logic Pro Xには「チェイス」という機能があります。
チェイス機能を有効にすると、長いMIDIノートの途中から再生を開始しても、きちんと音が鳴るようになります。
チェイスは文字の通り、MIDIノートの追跡をおこなって、再生ヘッドの位置にあるノートの、ノートオンイベントを発生させます。

「チェイス」はデフォルト設定(あらかじめ設定されている標準の状態)では有効になっていません。

有効にするには以下の手順で設定します。

  1. Logic Pro Xのメニューから「ファイル」>「プロジェクト設定」>「MIDI」を選択する。
  2. タブの中から「チェイス」を選択する。
  3. 「ノート」にチェックをつける。

これで設定は完了です。

チェイス機能の気をつけたいところ

音の途切れをなくす便利な「チェイス」機能ですが、残念ながら万能ではありません。 ソフトウェア音源によっては、聞いていて不自然な部分や不都合が発生する場合もあります。
ソフトウェア音源との相性や長いMIDIノートを使用している頻度を見ながら、設定することが肝心です。

まとめ

Logicで曲の途中から再生しても、長い音をきちんと鳴らす方法でした。
設定の方法は簡単ですが、とても便利で強力な機能です。
私がチェイス機能を使うかどうかは、曲によって変えています。
長い音符がたくさんある曲はオンに、それ以外は基本的にはオフにしています。
ぜひこの記事を参考にして、快適なDTMライフを楽しんでいただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

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